校長メッセージ

第73回 高等学校卒業式 式辞

2021.02.06

只今、238名の皆さんに卒業証書を授与しました。卒業生、並びに保護者の皆様、誠におめでとうございます。

また、第七三回卒業証書授与式を挙行するにあたり、新型コロナウイルス感染症予防の観点から、寒い中ですが換気の実施、参列者人数の制限、ご来賓もない状態で実施いたします。ご不便をおかけし申し訳ありませんが、ご理解、ご協力のほど、お願いいたします。

保護者の皆様には、今、晴れやかに巣立ちいくお子様の英姿を目の前にされ、夫々幼いころからの生い立ちを思い出されるなど、感慨もひとしおのことと存じます。

高校時代は心身ともに大きく成長する時期でありますが、あり余るエネルギー故に、時に親としてご苦労も多々おありになったことと存じます。歴史と伝統を誇る本校の卒業生と言う栄誉は、お子様の努力の結晶であると同時に、絶えずお子様を励まし温かく育んでこられました保護者の皆様方の薫陶のお蔭でもあります。このような頼もしい若人の姿として実を結びましたことに、心から敬意とお祝いを申しあげます。

改めて卒業生のみなさん、卒業おめでとう。皆さんはこの三年間で、智・徳・体それぞれの面で研鑚を重ね成長されました。本校の建学の精神は「不断の努力により、智・徳・体を修め、社会に奉仕する」です。卒業後、皆さん一人ひとりが、活躍できる場を見つけ、それぞれの分野で社会に奉仕する人材と成られることを願っております。

さて、経済産業省や文部科学省は、情報通信技術の発達などにより、予測不可能な激動の時代になりつつある。そんな時代を生きていくには、これまで学校教育で大切にしていた、知識や技能の習得に加えて、思考力・判断力・表現力や、様々なタイプの人とチームを組んで物事を進めていける協働の精神が大切になる。そのような新たな力をつけるため、学校教育の在り方も変えないといけない、と言っています。令和元年度の終わりから今年度にかけて、まさに予測不可能な事態に見舞われました。一昨年一ニ月ごろ中国の武漢で発生した新型コロナウイルスは、瞬く間に世界に拡散し、多くの感染者や犠牲者を出しながら、いまだ終息のめどはたっていません。卒業生の皆さんは、二年生の学年末考査の途中で政府から全国一斉の学校休校要請が出され、そこからイレギュラーな対応の連続となりました。長期の休校の後、学年別の登校日設定、午前午後の分散登校、文化祭体育祭の中止、部活動でも春の全国選抜大会の切符を手にしながら、大会が中止され涙をのんだ人も多くいました。夏の全国大会においては、予選すらできませんでした。そのような中で、卒業生や保護者の皆様はそれぞれ、不満や不安を抱えながら、国や大阪府の指導のもと行ってきた学校の対応に、協力していただいたおかげで、本日を迎えることができました。この場をお借りして、お礼を申し上げます。ありがとうございました。このような予測不能な事態に遭遇した時、必ず出てくるのがデマやフェークニュースです。真偽に関わらず様々な情報が、すぐに拡散します。嘘か本当か確かめるのは難しいものもありますが、大人の仲間入りをする皆さんには、情報リテラシーを身に着け、正しい選択ができる大人になってほしいと思います。

最後に、皆さんの今後の活躍を祈念しまして、式辞といたします。さようなら。

 

令和二年度3学期 始業式 式辞

2021.01.08

あけましておめでとうございます。今日から3学期が始まります。中高3年生は自分の進路獲得と卒業に向けて、最後まで頑張ってください。1、2年生は、学年の仕上げの学期です。それぞれの課題に取り組み、前進していきましょう。

さて、新型コロナウイルスの第三波は、大阪にも再度緊急事態宣言が出されるかもしれない状況になっています。この年末年始はステイホームの中で、印象に残った三つのテレビ番組を紹介します。一つ目は「”イマジン” は生きている ジョンとヨーコからのメッセージ」です。昨年は、ジョン・レノンのメモリアルイヤーで、生誕80年、没後40年、この記念すべき年に、改めてジョンとヨーコがこの世界に残したメッセージに耳を傾ける、という番組です。二つ目は「松田聖子スペシャル 完全版」で昨年デビュー40周年を迎えた松田聖子、その40年の歩みを解き明かす特集番組です。三つ目は「良心を束ねて河となす 〜医師・中村哲 73年の軌跡〜」で、一作年12月、アフガニスタンで銃撃により命を落とした医師・中村哲。長年、戦乱が続く地での医療活動に、飢餓を救うための用水路建設に奔走した中村の生涯に迫る、という番組です。どの番組も、その人が生きてきた軌跡を追いながら、時代や社会とどう向き合ったのか、感慨深い内容でした。それぞれの番組について、皆さんに語り、伝えたいことがあるのですが、今日は中村哲さんについて話します。

中村さんは一作年12月、活動していたアフガニスタンで凶弾に倒れます。73歳でした。皆さんからするとおじいさんくらいの世代になるのでしょうか。中村さんは人を助けるような職業につきたいという思いから、大学の医学部に進み医師免許を取ります。彼がアフガニスタンで活動するようになったきっかけは、20代の時に登山隊の帯同医師としてパキスタンに行った事です。登山隊の進むルートにある村々で、地元の人たちが医師である中村さんのところに押しかけ、病気を治してほしいと頼みます。中村さんは登山隊用の薬しか持ってきておらず、診察はしますが治療することができません。医療体制が整っていないために、病に苦しみ命を落とす人がたくさんいることに衝撃を受けます。帰国後、病院で勤務しながら現地で医療活動できる方法を探します。数年後、日本キリスト教海外医療協力会から派遣されてパキスタン北西辺境州の州都ペシャワールに赴任。以来、20年以上にわたって戦乱が続くパキスタン・アフガニスタン地域で長く活動してきました。医療体制づくりに尽力しますが、干ばつに襲われ現地の人や難民が命を落とす現実に、医療体制だけでは命を救えない、安定した食糧生産が必要だと痛感し、土木工事の専門知識が全くないところから、現地の人たちと協力して25キロ離れた川からの灌漑用水路建設にまい進します。荒れ果てた不毛の地が今では、65万人分の食料を生み出す農地になりました。この行動力とエネルギーはどこからくるのでしょうか。中村さんは、人々が持つ良心とそれを信頼することと言います。

私たちは大きな困難に直面したとき、自分の小ささや無力さを感じて、諦めてしまいがちです。しかし、打開策はきっとある、同じ困難を抱えた人々の良心を信じ、勇気を持って挑戦することの大切さを中村さんは行動で示していました。

最後に、新型コロナウイルス感染防止のため、こまめな手洗い、マスクの着用、蜜を避け教室の換気を励行する。を引き続き行いましょう。また、今後、予定されていた行事等も変更になるかもしれません。皆さんの理解と協力をお願いします。そして、簡単には諦めない、チャレンジングな3学期を送りましょう。

令和2年度2学期終業式 式辞

2020.12.21

本日2学期の終業式を迎えました。高3生は年内に進路を決めた人もいますが、まだ共通テスト・私大の一般型選抜・国公立の2次試験、中3生もコース決定試験を控えています。体調管理をしっかりして、冬休みを過ごしてください。他の学年の皆さんも、学習に部活にと忙しいと思いますが、有意義な時間を過ごしてください。

さて、この一年を振り返ると、新型コロナウイルスに翻弄された一年でした。中高生の皆さんも三月から五月にかけては、学校はどうなるんやろ、部活は、試合は、進路は、と大きな不安を抱えていたと思います。楽しみにしていた行事がなくなったり、内容が変更されたりする中、皆さんの理解と協力のもと、今では学校も普段通りの活動が行えるようになりました。まだ、しばらくの間は感染リスクを下げるための行動をとらなければなりません。お互いに気を緩めず、対応して行きましょう。

このように感染症の恐ろしさを体験しているところですが、このコロナ禍の中で感染すること以外に、怖いなと思ったことがあります。一つはデマやフェイクニュースの影響力です。SNSが発達した現在、誰もが全世界に向けて情報発信、受信することができ、瞬く間に拡散します。個人や組織が間違った情報を流し、それを多くの人が信用して行動してしまうこと。もう一つは、感染者やその家族、治療に当たっている医療従事者に非難や攻撃が向けられるという現象です。

大きな不安や不満を抱えると、デマなどを信じてしまったり、他者に攻撃的になったりしがちです。そうであることをふまえて、加害者にも、被害者にもならないために情報の見極めが大切です。見極めとは、優れた情報からジャンクな情報まで、ごちゃ混ぜになっている中から、優れた情報を選び出すことです。それができるようになるには、基礎的な知識、技能を身に着けること、普段から時事問題に関心を向けること、日常生活の中でも情報の見極めの練習をすることが大切です。皆さんもぜひ実践してください。

最後に、皆さん一人一人が、解決すべき課題を持っていますね。すぐに解決できるものから、時間とエネルギーをかけなければ解決できないものまであるでしょう。少しでも前に進められるよう、この冬休みの時間を有効活用してください。それでは、よいお年を迎えてください。

令和2年度 2学期 始業式

2020.08.18

皆さん、おはようございます。校長の清水です。これより2学期の始業式を始めます。

 

短い夏休みでしたが充実した時間を過ごせましたか、リフレッシュはできましたか。まだ猛暑がしばらく続きそうです、体調管理に気を付けて新たな学期を過ごしていきましょう。

さて、新型コロナウイルスの感染は続いています。引き続き、次の3点を守ってください。

➀こまめな手洗いをする

➁教室等は常に換気し、3密を避ける

➂特別な場合を除いて、マスクを着用する。

ここで、皆さんには少し想像力を働かせてほしい。ウイルスに感染していても無症状の人が一定数います。ということは、症状がなくても感染しているかもしれないということですね。「自分は症状はないけれども、感染しているかもしれない」という前提で行動すると、いちいち指示されなくても、適切な行動がとれるはずです。気分感情の面でも、「ああせい、こうせい」と細々言われるより、自分で考えて行動する方が気持ちいいですよね。勉強も部活も基本的には同じだと思います。2学期は、自分で考えて主体的に行動できるように、心がけましょう。

最後に、今後学校行事も中止や縮小せざるを得ないものが出てきます。状況を理解し、皆さんの協力をお願いします。特に中高の3年生の皆さんは、最後まで粘り強く、自分の希望進路をつかみ取れるよう頑張ってください。

1学期終業式 式辞

2020.08.08

皆さん、おはようございます。校長の清水です。これから1学期の終業式を行います。まずは、私の講話、次に生徒指導部、保健部よりお話があります。

始めに皆さんのここまでの行動に感謝したいと思います。4月初めの登校日に、私から皆さんに次のようなお願いをしました。「コロナウイルスによる休業期間は、自己管理能力が問われている、感染防止の面、ステイホームを中心とした生活全般、家庭での学習などに対してです。」イレギュラーなことの連続でしたが、事態を冷静に受け止め、自己管理能力を働かせ、今やるべき事とやるべきでない事の区別をしっかり付けて行動してくれたのだと思います。その結果、今日を迎えることができました。

しかしながら、この後もしばらくイレギュラーは続きます。夏休みは9日間しかありません。8月18日には2学期の始業式を迎えます。本来、夏休みなどの長期休暇は普段は挑戦できないことに挑戦したり、本を読んだりじっくり物事を考えたり、学習の足りなかったところを自分で補ったりする大切な期間です。皆さんには負担をかけ、申し訳ない思いを持っていますが、臨時休業中に進めなかった内容を取り戻すためですので、理解をお願いします。

また、暑い盛りです。熱中症予防のため体調の管理もお願いします。生活リズムを保った中での十分な睡眠、栄養バランスのとれた食事、こまめな水分補給を心がけてください。体調管理と同時に、感染予防対策もお願いします。

➀外出時は特に、こまめに手洗いをしましょう

➁外出時は、マスクを着用しましょう

➂換気を十分していない場所や、3密を避けましょう

最後に皆さんにもう一つお願いです。新型コロナウイルス感染防止のため、学校生活や日常生活にいろいろな制約があります。そのため意識するしないにかかわらず、いつの間にかストレスをため込んでしまっている場合があります。そのはけ口としてクラスメイトに暴言を吐いたり、SNSで誹謗中傷したりするのは絶対にやめてください。自分のストレス発散に他人を巻き込むのはやめましょう。

短いですが充実した夏休みを送ってください。

令和2年度 入学式 式辞

2020.04.06

新入生の皆さん、保護者の皆さま ご入学おめでとうございます

 

まさに春爛漫の本日、新入生の皆さんは、浪商中学校・高等学校の一員になりました。在校生・教職員一同 皆さんの入学を心より歓迎いたします。

 

ただ、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、縮小した形での入学式となりました。花粉症の方には申し訳ありませんが、換気しながらの実施にご理解を願います。

 

さて、高校は今年で創立99年目、中学校は昨年50年の節目の年を迎えました。私立学校にはそれぞれ「建学の精神」があります。「建学の精神」とは学校を創るに当ってどのような教育をし、どのような人材を世に送り出したいのか、創立者の熱い思いがこもっています。本校の建学の精神は「不断の努力により、智・徳・体を修め、社会に奉仕する」です。もう少し砕いていうならば、「今、ここを精一杯生きることで、知識や技能を身に付け、心身を鍛え養い、世の中で役立つ人になってほしい」という思いです。

 

今年度は臨時休業の形でスタートする異例の年です。いつも以上に皆さんの自己管理能力が問われています。自己管理能力とは、自分で自分をコントロールする力です。まずは自分自身が感染しないよう、基本的な予防行動をお願いします。その行動がほかの人への感染も防ぎます。次に学習面や部活動ですが当面、登校日を儲けるとはいえ、自宅での学習時間が大半を占めます。学習の目的を理解し、自己管理能力を育んでください。

 

最後になりましたが、保護者の皆さまにはお仕事や家庭生活においても、イレギュラーなことが続き大変だとお察しいたします。5月6日までは臨時休業としますが、1年生は当面週2日の登校日を設けます。今後の対応につきましては、その都度さくら連絡網等を通じてお知らせしますので、よろしくお願いいたします。

3学期 登校日 講話

2020.03.19

中学生、高校生の皆さん、おはようございます。校長の清水です。

本日は登校日の講話を放送で行います。3学期終盤は新型コロナウイルス感染を防ぐため、学年末考査の圧縮、その後の臨時休校と、皆さんにはいろいろ負担をおかけましたが、協力していただきありがとうございます。

さて、高校野球をはじめ、各種競技の選抜大会が中止となりました。本校の部活においても、中学校のハンドボール、高校の体操、ハンドボール、レスリング、水泳など、全国の切符を手にしながら、出場できなかった選手の皆さんには、残念を通り越した思いを持っていることでしょう。次のチャンスに向け、何とか気持ちを切り替えてください。

また、今放送を聞いている皆さんは4月から3年生、2年生にそれぞれ進級します。この1年を振り返り、よかった点、改善すべき点を確認し、新しい学年を前向きに迎えてほしいと思います。

新型コロナウイルスの感染は、まだ終息していません。お年寄りなどは感染すると重症化しやすいともいわれています。感染から自分を守ることが、他の人への感染を防ぐことにつながります。これまで言われている感染予防の方法をこれからも守ってください。

最後に、いろいろな制約がある中ですが、この春休みにみなさん一人一人が「自己管理能力を試されている」との認識をもって、自分で自分をコントロールし、しっかりと行動してくれることをお願いして、講話をおえます。一緒に乗り越えていきましょう。

第72回高等学校卒業式 式辞

2020.02.04

只今、220名の皆さんに卒業証書を授与しました。卒業生、並びに保護者の皆様、誠におめでとうございます。

また、第72回卒業証書授与式を挙行するにあたり、ご多用の中、学校法人浪商学園野田理事長様をはじめ、多くのご来賓の方々のご臨席をいただきありがとうございます、高いところからではございますが、心より御礼申し上げます。

保護者の皆様には、今、晴れやかに巣立ちいくお子様の英姿を目の前にされ、夫々幼いころからの生い立ちを思い出されるなど、感慨もひとしおのことと存じます。

高校時代は心身ともに大きく成長する時期でありますが、あり余るエネルギー故に、時に親としてご苦労も多々おありになったことと存じます。歴史と伝統を誇る本校の卒業生と言う栄誉は、お子様の努力の結晶であると同時に、絶えずお子様を励まし温かく育んでこられました保護者の皆様方の薫陶のお蔭でもあります。このような頼もしい若人の姿として実を結びましたことに、心から敬意とお祝いを申しあげます。

改めて卒業生のみなさん、卒業おめでとう。皆さんはこの三年間で、智・徳・体それぞれの面で研鑚を重ね成長されました。本校の建学の精神は「不断の努力により、智・徳・体を修め、社会に奉仕する」です。卒業後、皆さん一人ひとりが、活躍できる場を見つけ、それぞれの分野で社会に奉仕する人材と成られることを願っております。

さて、元号が令和に代わり皆さんは最初の卒業生となります。卒業も元号が代わるのも、一つの区切り節目となります。これまでを振り返り、今後について改めて考えるきっかけを与えてくれます。時間軸で見れば、皆さんは今もこれからも歴史の最先端を生きていきます。その時代の最先端は700万年前、類人猿から枝分かれし人類として歩んできた、様々な人々の営みの蓄積の上に成り立っています。このつながりを縦糸とすれば、私たちはみんな縦糸の先端で新たな糸を紡ごうとしているところです。では横糸は何かというと、同時代を生きるいろいろな人々とのつながりです。モノやサービスを通じて驚くほど多くの人々とつながりがあります。その中で心を通い合わすことができるのは、ほんの一握りしかいません。このほんの一握りの人々との出会いと別れが、横糸として自分の人生の支えになり、新たな方向に向かうきっかけになります。

今日はその心を通い合わせた友人や先生との別れの時です。と同時にそれぞれの進路の場で、新たな出会いに向かっていく日でもあります。将来、皆さんに素晴らしい横糸が現れることと、皆さんが誰かの大切な横糸になられることを祈願し、式辞といたします。さようなら。

令和元年度 3学期始業式 式辞

2020.01.08

あけましておめでとうございます。今日から3学期が始まります。中学3年生はコース決定試験に向けて、高校3年生はセンター試験、私立の一般入試、国公立の二次試験と最後までしっかり頑張ってください。また1、2年生は、学年の仕上げの学期です。それぞれの課題に取り組み、前進していきましょう。

本日は「生き苦しさからラクになる」というテーマでお話しします。皆さんはこんなこと、経験したことはありませんか。「人からなにか頼まれた時に、本当はイヤだと思っているのに、なかなか断れなかったり」「本当は違うことをしたいのに、 まわりの人達の目が気になって、ぐっとガマンしたり」「もう返事を書きたくないのに、何度も何度も、ラインやメール、ダイレクトメッセージをやりとりしたり」。去年の㋃「空気を読んでも従わない」という本が、岩波ジュニア新書から出版されました。著者は劇団を主宰する鴻上尚史さんです。出版以来増刷を重ね、よく売れているようです。前書きに、「この本はあなたの生き苦しさのヒミツをあばき楽になるための方法を書いたもの」とあります。

一部を紹介すると、「どうして先輩に従わないといけないの」の項目で次のようなエピソードが出てきます。日本に来たドイツ人の女性が、大学でゴルフ部に入りました彼女は3年生に途中編入しましたから、部活でも3年生です1年生が奴隷のように 部室の掃除、練習の準備、先輩の世話を焼いているところを見て驚きます。彼女は日本人の部員に聞きます。「1年生や2年生は、どうして3年生や4年生の世話をしなければいけないの 」「先輩なんだから、当然ですよ。」「先輩と言っても、1年違うだけでしょう。1年歳 が上ということが、どうしてそんなに偉いの。」「日本は昔からそうなの 。そういうものなの。」と話がかみ合いません。著者は次のように説明します。ドイツには「先輩・後輩」という考えがない。世界中のほとんどの国で、「先輩・後輩」という考え方がない。相手が年上だろうが 、大人だろうが対等に議論して、尊敬できる人なら尊敬するし、尊敬できない時は、どんなに年上でも尊敬しないのです。と

続けて著者は言います。なぜ先輩に従うのと聞かれたら、「だって、昔からそうだし、みんなそうしているし」となってしまい、なぜそうなるのかというと、これはこの国の文化だから、そうしているのですと。あなたが弱いからでも、先輩が強引だからでもない。イヤな先輩に従わない方法を考えようと思えば、この国の文化を研究する必要があると。研究といえば難しそうだけども、自分で考えることはすごく大切で、何のために考えるのかというと、感情にふりまわされないために、周りが見えなくなって生き苦しくならないために、感情に負けて失敗しないために、よりいい生き方を見つけ楽になるために、と訴えています。

いかがでしょうか、今生き苦しさを感じている人は、この本を参考に一度考えてみませんか。この本では、先輩の項目以外に、次のような疑問にも答えています。

どうしてこんなに人の頼みを断るのが苦しいのか?

どうしてこんなに周りの目が気になるのか?

どうしてこんなに周りに合そうとしてしまうのか?

どうしてこんなにラインやメールが気になるのか?

どうしてこんなになんとなくの「空気」に流されるのか?

それでは三学期もチャレンジングに学校生活を送りましょう。

令和元年度 2学期終業式 式辞

2019.12.20

本日2学期の終業式を迎えました。高3生はまだセンター入試・私大の一般入試・国公立の2次入試、中3生もコース決定試験を控えています。体調管理をしっかりして、冬休みを過ごしてください。他の学年の皆さんも、学習に部活にと忙しいと思いますが、有意義な時間を過ごしてください。

 

今日は「出会いが人生を動かす」というタイトルで話します。2人の人物が登場します。一人目は岩手県出身のBさんです。彼は4歳で交通事故に遭い、脊椎損傷により首から下が動かなくなりました。そのため、20年以上、盛岡の病院で寝たきりの状態で生活していました 。

もう1人は奈良県出身のYさんです。彼にもつらい過去がありました。本人のブログから引用します。「私は小学校5年生から中学2年生までの3年半、そもそも学校というシステムが合わなかったことや、病気がちだったこと、コミュニケーションを取るのが下手だったこと、それによるいじめなどが原因で学校に行けず、自宅に引きこもっていました。

一日の大半を誰とも会わず、主に絵を描いたり、祖母が教えてくれた折り紙をひたすら折ったり、オンラインゲームに没頭したり、とにかく一人で打ち込めることに熱中していました。でも一人きりの状態が長く続くと、何かをする気力も体力もなくなり、ずっと一人で布団の上でただ天井を眺め続けるだけの日々が続くようになりました。今でも時計の音を聞くとその時の情景が目に浮かびます。

一週間ほぼ誰とも何も話さなかったことで、日本語を聞き取ることも喋ることもできない、身体をうまく動かせない、うまく笑う事もできなくなってしまいました。そんな私を見て両親も悲しんでいました。 もちろん何とかして学校に行けるようにといろいろと手を尽くしてくれましたが、それが逆に申し訳なくて。家族に迷惑をかけるだけの自分に嫌気が差し、自信もなくなり、無気力になり、記憶力も低下。さらに精神的に追い込まれ、耐えられずに叫び出すこともありました。どこにも居場所がなく、自分を肯定できない悪夢の状態でした。生きていくのがつらかった。本当に救いがない状況に苦しんでいました。

中学1年生の時 、母親が「ロボコンに申し込んだから出てみれば?」と言ってくれた。子どもの頃からロボコン番組を見ることやものづくりが好きだった。参加したらまさかの優勝。翌年には大阪で開かれた全国大会でも準優勝。会場で一輪車を漕いでいるロボットを見かけて、こんなすごいロボットもあるんだと感動した。」

Yさんはその一輪車ロボを制作した先生のいる県立工業高校入学を決意し、合格します。電動車いすの制作チームに入り、国内の科学技術フェアJSECに出場し、 文部科学大臣賞を受賞。その後世界最大の科学大会Intel ISEFにて Grand Award 3rdを受賞します。しかし高校在学中、自分のやりたいことは車いすの制作ではなく 孤独の解消を目的とした分身ロボットの研究開発であると気づき、それに専念します。

孤独の解消を目的に作った分身ロボットとは、カメラ・マイク・スピーカーを搭載、スマホやタブレット、PCなどからネットを介して操作できます。首を上下左右に動かしたり、手を挙げたりと感情を表す簡単な動作もできる。分身ロボをある場所に置けば、操作する人は家にいながらにして、あたかもその場にいるように会話ができ、その場にいる人たちもその人の存在を感じることができる。というものです。

2013年Bさんは、Yさんが分身ロボの試作機を作っていることを知り、Face Bookに次のようなメッセージを送ります。「私は子どもの頃からずっと病院で過ごしてきました。そこには病により外の世界をほとんど見ることなく、旅立ってしまう子ども達がいます。それを見るたびに、自分の無力さに強く心が痛みました。重度肢体不自由者のために、力を合わせませんか。」

2014年Bさんは、Yさんの開発パートナー兼、秘書として試験的に働き始めます。 2015年には正式に研究所のメンバーとして迎えられます。その時のBさんのコメントは「採用通知をいただきました、宝物だね。生きる意味を感じる瞬間は、いろんなところに隠されているんだね。」でした。

Bさんは、一緒に開発した分身ロボを通して、盛岡からリモートワークで秘書の仕事をし、海外出張もこなしました。半年に一度くらいのペースで上京し、Yさんと共に時間を過ごし、分身ロボの改良普及に励みました。その結果、企業・病院・学校・個人にも活用され、様々な理由で現場にいけない人たちと現場を結ぶ優れたツールとして広がっています。

また、Bさんは200回を超える講演や、テレビ・新聞などのメディアへの露出で、たくさんの人たちに勇気を与えました。しかし2017年9月、惜しまれながらこの世を去りました。28歳でした。最後に、Bさんが残したメッセージを紹介し話を終わります。「心が自由なら、どこへでも行き、何でもできる」

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