校長メッセージ

大阪体育大学浪商高等学校 大阪体育大学浪商中学校

校長メッセージ

令和元年度 3学期始業式 式辞

2020.01.08

あけましておめでとうございます。今日から3学期が始まります。中学3年生はコース決定試験に向けて、高校3年生はセンター試験、私立の一般入試、国公立の二次試験と最後までしっかり頑張ってください。また1、2年生は、学年の仕上げの学期です。それぞれの課題に取り組み、前進していきましょう。

本日は「生き苦しさからラクになる」というテーマでお話しします。皆さんはこんなこと、経験したことはありませんか。「人からなにか頼まれた時に、本当はイヤだと思っているのに、なかなか断れなかったり」「本当は違うことをしたいのに、 まわりの人達の目が気になって、ぐっとガマンしたり」「もう返事を書きたくないのに、何度も何度も、ラインやメール、ダイレクトメッセージをやりとりしたり」。去年の㋃「空気を読んでも従わない」という本が、岩波ジュニア新書から出版されました。著者は劇団を主宰する鴻上尚史さんです。出版以来増刷を重ね、よく売れているようです。前書きに、「この本はあなたの生き苦しさのヒミツをあばき楽になるための方法を書いたもの」とあります。

一部を紹介すると、「どうして先輩に従わないといけないの」の項目で次のようなエピソードが出てきます。日本に来たドイツ人の女性が、大学でゴルフ部に入りました彼女は3年生に途中編入しましたから、部活でも3年生です1年生が奴隷のように 部室の掃除、練習の準備、先輩の世話を焼いているところを見て驚きます。彼女は日本人の部員に聞きます。「1年生や2年生は、どうして3年生や4年生の世話をしなければいけないの 」「先輩なんだから、当然ですよ。」「先輩と言っても、1年違うだけでしょう。1年歳 が上ということが、どうしてそんなに偉いの。」「日本は昔からそうなの 。そういうものなの。」と話がかみ合いません。著者は次のように説明します。ドイツには「先輩・後輩」という考えがない。世界中のほとんどの国で、「先輩・後輩」という考え方がない。相手が年上だろうが 、大人だろうが対等に議論して、尊敬できる人なら尊敬するし、尊敬できない時は、どんなに年上でも尊敬しないのです。と

続けて著者は言います。なぜ先輩に従うのと聞かれたら、「だって、昔からそうだし、みんなそうしているし」となってしまい、なぜそうなるのかというと、これはこの国の文化だから、そうしているのですと。あなたが弱いからでも、先輩が強引だからでもない。イヤな先輩に従わない方法を考えようと思えば、この国の文化を研究する必要があると。研究といえば難しそうだけども、自分で考えることはすごく大切で、何のために考えるのかというと、感情にふりまわされないために、周りが見えなくなって生き苦しくならないために、感情に負けて失敗しないために、よりいい生き方を見つけ楽になるために、と訴えています。

いかがでしょうか、今生き苦しさを感じている人は、この本を参考に一度考えてみませんか。この本では、先輩の項目以外に、次のような疑問にも答えています。

どうしてこんなに人の頼みを断るのが苦しいのか?

どうしてこんなに周りの目が気になるのか?

どうしてこんなに周りに合そうとしてしまうのか?

どうしてこんなにラインやメールが気になるのか?

どうしてこんなになんとなくの「空気」に流されるのか?

それでは三学期もチャレンジングに学校生活を送りましょう。

令和元年度 2学期終業式 式辞

2019.12.20

本日2学期の終業式を迎えました。高3生はまだセンター入試・私大の一般入試・国公立の2次入試、中3生もコース決定試験を控えています。体調管理をしっかりして、冬休みを過ごしてください。他の学年の皆さんも、学習に部活にと忙しいと思いますが、有意義な時間を過ごしてください。

 

今日は「出会いが人生を動かす」というタイトルで話します。2人の人物が登場します。一人目は岩手県出身のBさんです。彼は4歳で交通事故に遭い、脊椎損傷により首から下が動かなくなりました。そのため、20年以上、盛岡の病院で寝たきりの状態で生活していました 。

もう1人は奈良県出身のYさんです。彼にもつらい過去がありました。本人のブログから引用します。「私は小学校5年生から中学2年生までの3年半、そもそも学校というシステムが合わなかったことや、病気がちだったこと、コミュニケーションを取るのが下手だったこと、それによるいじめなどが原因で学校に行けず、自宅に引きこもっていました。

一日の大半を誰とも会わず、主に絵を描いたり、祖母が教えてくれた折り紙をひたすら折ったり、オンラインゲームに没頭したり、とにかく一人で打ち込めることに熱中していました。でも一人きりの状態が長く続くと、何かをする気力も体力もなくなり、ずっと一人で布団の上でただ天井を眺め続けるだけの日々が続くようになりました。今でも時計の音を聞くとその時の情景が目に浮かびます。

一週間ほぼ誰とも何も話さなかったことで、日本語を聞き取ることも喋ることもできない、身体をうまく動かせない、うまく笑う事もできなくなってしまいました。そんな私を見て両親も悲しんでいました。 もちろん何とかして学校に行けるようにといろいろと手を尽くしてくれましたが、それが逆に申し訳なくて。家族に迷惑をかけるだけの自分に嫌気が差し、自信もなくなり、無気力になり、記憶力も低下。さらに精神的に追い込まれ、耐えられずに叫び出すこともありました。どこにも居場所がなく、自分を肯定できない悪夢の状態でした。生きていくのがつらかった。本当に救いがない状況に苦しんでいました。

中学1年生の時 、母親が「ロボコンに申し込んだから出てみれば?」と言ってくれた。子どもの頃からロボコン番組を見ることやものづくりが好きだった。参加したらまさかの優勝。翌年には大阪で開かれた全国大会でも準優勝。会場で一輪車を漕いでいるロボットを見かけて、こんなすごいロボットもあるんだと感動した。」

Yさんはその一輪車ロボを制作した先生のいる県立工業高校入学を決意し、合格します。電動車いすの制作チームに入り、国内の科学技術フェアJSECに出場し、 文部科学大臣賞を受賞。その後世界最大の科学大会Intel ISEFにて Grand Award 3rdを受賞します。しかし高校在学中、自分のやりたいことは車いすの制作ではなく 孤独の解消を目的とした分身ロボットの研究開発であると気づき、それに専念します。

孤独の解消を目的に作った分身ロボットとは、カメラ・マイク・スピーカーを搭載、スマホやタブレット、PCなどからネットを介して操作できます。首を上下左右に動かしたり、手を挙げたりと感情を表す簡単な動作もできる。分身ロボをある場所に置けば、操作する人は家にいながらにして、あたかもその場にいるように会話ができ、その場にいる人たちもその人の存在を感じることができる。というものです。

2013年Bさんは、Yさんが分身ロボの試作機を作っていることを知り、Face Bookに次のようなメッセージを送ります。「私は子どもの頃からずっと病院で過ごしてきました。そこには病により外の世界をほとんど見ることなく、旅立ってしまう子ども達がいます。それを見るたびに、自分の無力さに強く心が痛みました。重度肢体不自由者のために、力を合わせませんか。」

2014年Bさんは、Yさんの開発パートナー兼、秘書として試験的に働き始めます。 2015年には正式に研究所のメンバーとして迎えられます。その時のBさんのコメントは「採用通知をいただきました、宝物だね。生きる意味を感じる瞬間は、いろんなところに隠されているんだね。」でした。

Bさんは、一緒に開発した分身ロボを通して、盛岡からリモートワークで秘書の仕事をし、海外出張もこなしました。半年に一度くらいのペースで上京し、Yさんと共に時間を過ごし、分身ロボの改良普及に励みました。その結果、企業・病院・学校・個人にも活用され、様々な理由で現場にいけない人たちと現場を結ぶ優れたツールとして広がっています。

また、Bさんは200回を超える講演や、テレビ・新聞などのメディアへの露出で、たくさんの人たちに勇気を与えました。しかし2017年9月、惜しまれながらこの世を去りました。28歳でした。最後に、Bさんが残したメッセージを紹介し話を終わります。「心が自由なら、どこへでも行き、何でもできる」

令和元年度 2学期始業式 式辞

2019.09.02

皆さんおはようございます。猛暑日と例年より早めの秋雨前線の停滞で涼しくなった中で夏休みも終わり、本日から2学期が始まります。学年、コースによってはすでに始まっていますが、一つの区切りとして本日、始業式を行います。

 

本日のテーマは「将来に必要な力」です。高校3年生はまさに大きな岐路に立っています。最終的には自分で選ぶことになりますが、その際これまでに付けた力が試されます。学習によってどんな力をつければいいのでしょうか。

 

みなさんは最近よく耳にすると思いますが、学力は知識や技能だけでなく、それをベースにした思考力・判断力・表現力も養う必要がある。加えて、主体性・多様性・協働性も身に着けておくべきものだという話です。それをふまえた学力の見方として、最近「思考コード」というのをよく見かけるようになりました。「思考コード」とは点数や偏差値に変わる新しい学力の基準です。試験問題のレベルが、簡単か難しいかだけでなく、「どの程度の知識が必要なのか」と「どの程度の思考の深さが必要なのか」 という二つの軸で、どの段階に位置するのかというのを図る指標になるものです。

 

では思考コードとはどんなものか具体的に、例を挙げてみていきましょう。これは首都圏模試という会社がHP上にあげていたものです。わかりやすいのでこれをもとに説明します。縦軸で知識の量や複雑さを1~3の段階に分けています。横軸で思考の深さをA知識理解、B論理的思考、C創造的思考の三段階に分けています。思考の深さA段階では、こんな感じです。

A-1 写真(フランシスコ・ザビエル)を見て、この人物の名前を答えなさい

A-2 ザビエルがしたこととして正しいものを すべて選びなさい

A-3 ザビエルがしたこととして正しいものをすべて選び、年代の古い順に並べなさい

思考の深さB段階では、

B-1 ザビエルが日本に来た目的は何ですか? 50字以内で書きなさい

B-2 キリスト教を容認した大名を一人あげ、この大名が行った  こと、その目的を100字以内で説明しなさい

B-3 キリスト教の日本伝来は、当時の日本にどのような影響を及ぼしたのか200字以内で説明しなさい

思考の深さC段階では、

C-1 もしあなたがザビエルの布教活動をサポートするとしたら、ザビエルに対してどのようなことをしますか、200字以内で説明しなさい

C-2 もしあなたがザビエルだとしたら、布教のために何をしますか、具体的な根拠とともに400字以内で説明しなさい

C-3 もしあなたがザビエルのように知らない土地に行って、その土地の人々に何かを広めようとする場合、どの様なことをしますか、600字以内で答えなさい

 

さて、いかがですか。A→B→Cと思考が深まっているのがわかりますね。また、B、C段階の問いに答えるには、Aの知識が不可欠というのもわかります。授業を通しての学習は思考を深めてこそ生きてくる、これを念頭に置いて、二学期の学習に取り組んでもらいたいと思います。

令和元年度 1学期終業式 式辞

2019.07.19

皆さんおはようございます。いまだ梅雨が明けずじめじめした日が続いていますが、本日1学期の終業式を迎えました。この3か月半ほどを振り返り、比較的自由時間の多い夏休みに生かし、有意義に過ごしてもらいたいと思います。

さて、今日は「あなたを支える力」というタイトルで話をします。中学生には少し難しい言葉も出てきますが、よく聞いてください。

 

2000年にノーベル経済学賞を受賞したヘックマンという大学の先生が、どの様な教育がその人の将来に影響を及ぼすのか興味を持ち、経済学の分析手法を用いて確かめました。アメリカのミシガン州で1960年から行われている「ペリー就学前プロジェクト」を対象にしました。このプロジェクトは、貧困地域の3~4歳の子どもたち123人を対象に、この中の約半数の子どもに、週3回、1日3時間のプリスクールに2年間通ってもらいました。さらに、週に一度、教師による家庭訪問も行いました。プリスクールに通ったグループと通わなかったグループ。その後の人生にどんな変化が起こるのか追跡調査をしたところ、40歳の時点で明らかな違いが現れました。収入、持ち家率、高校卒業率、生活保護を受けたことがあるかなどの点で、プリスクールに通ったグループは通っていないグループと比較して、大きく良い結果が出ました。

なぜそのような結果が出たのでしょうか。プリスクールは幼稚園のようなものです。「教育を受けてIQが伸びたからではないか?」と考えてしまうかもしれません。しかし、子どもたちのIQを調べると、プリスクールに通っている間は急激に伸びていますが、9歳ごろになるとIQの差はほとんどなくなります。ヘックマンさんは、彼らが大人になってからの幸せや経済的な安定につながったのは、プリスクールに通って認知的な能力を伸ばしたからではなく、認知的な能力以外(非認知能力)を身につけたことが大きな要因ではないかと考えました。

非認知能力とはペーパーテストなどでは測りにくい力で、「自分をコントロールできる力」、「目標に向かって頑張る力」、「人とうまくかかわる力」などです。これらの力は幼児期に育みやすく、いったん身につくと大人になっても、その性質は続きます。また、幼児期に身についていなかったとしても、思春期以降でも自分の生活を見直し、心構え次第で身に着けることができます。自分自身を見つめ直し「自制心は足りていますか」「やり抜く力はありますか」「誠実さを持っていますか」を確認してください。

その心構えをもとに行動する習慣がつけば、あなたの未来にきっと役立つことになります。

平成31年度 1学期始業式 式辞

2019.04.08

皆さん、おはようございます。先日入学式を行い、中学校・高校の新入生を迎えました。今年、高校は創立98年目、中学校は50年の節目の年です。5月からは元号も変わります。さあ、1年の始まりです。気持ちも新たにいいスタートを切りましょう。

さて、今日皆さんにお話しするテーマは「マインドセット」です。日本語でいうと「心構え」です。2,3年生の皆さんには、前年の三学期の終業式で宿題を出しました。4年後、自分はどんなお兄さん、お姉さんになっていたいか。などですが、目標を設定し、それを実現させるぞと心の準備をするのが心構えです。

目標を決めるだけでは、実現しません。そのための計画を立て、日々実践していかなければなりません。計画を立てるときのポイントは「目標は大きく、歩みは小さく」です。計画がなければ目標に近づけません。また、無理な計画もなかなか進みません。スモールステップを根気よく登っていくこと、それが大きな目標に近づく方法です。

 

スモールステップを根気よく登っていくには、生活リズムを整えること、時間管理(自己管理)をすること、コンディションを保つことが必要です。どれも実際に行うのは難しい部分もありますが、それらを癖にしてしまえば、それほど難しい事ではありません。コンディションを保つ方法を少し詳しく見ていきましょう。

 

コンディションを高く保つ方法その1は睡眠です。

・睡眠時間を削って頑張るのは、NGです

・眠気を感じなくても、睡眠不足は能率を下げます

・就寝前にはクールダウンが必要です

・寝ている間に、記憶の整理や身体のメンテナンスをしています

 

コンディションを高く保つ方法その2は食事です。

・1日3食(激しい運動をしている人は+α)を、自分のカロリー消費を考えて取りましょう

・バランスのとれた食事をしましょう

・特に、糖分の取りすぎとたんぱく質不足に注意しましょう

 

コンディションを高く保つ方法その3は発散です。

・運動部に入ってない人は、毎日運動を取り入れましょう

・スマホ、ゲームに依存しない

・友人や家族などとコミュニケーションを持つ

 

はい、いかがですか。すでに実践できている人は続けてください。まだの人はぜひ習慣にしてください。

 

ここまで、心構え→計画→実践と話してきました。実践の後に2つの項目が入って完成です。何が入るかわかりますか。実践→振り返り→計画の修正です。「スモールステップを上がって、気が付けばいつの間にか、こんなとこまで来た。」といつか言いたいですね。

平成31年度 入学式式辞

2019.04.06

新入生の皆さん、保護者の皆さま ご入学おめでとうございます

花冷えの数日が過ぎ、まさに春爛漫の本日、新入生の皆さんは、浪商中学校・高等学校の一員になりました。生徒・教職員一同 皆さんの入学を心より歓迎いたします。

また、大阪体育大学浪商中学校・高等学校への入学を祝して、ご多用の中、ご来賓の方々にご臨席を頂きました。高い所からではございますが厚くお礼申し上げます。

さて、高校は今年で創立98年目、中学校は50年の節目の年を迎えました。私立学校にはそれぞれ「建学の精神」があります。「建学の精神」とは学校を創るに当ってどのような教育をし、どのような人材を世に送り出したいのか、創立者の熱い思いがこもっています。本校の建学の精神は「不断の努力により、智・徳・体を修め、社会に奉仕する」です。もう少し砕いていうならば、「今、ここを精一杯生きることで、知識や技能を身に付け、心身を鍛え養い、世の中で役立つ人になってほしい」という思いです。

入学生のみなさん、これから始まる中学校生活や高校生活で、より自分を高めよう成長しようと思っているはずです。その気持ちを大事にし、学校生活を送ってください。私たち教職員は、全力でみなさんをサポートします。3年後、6年後一回りも二回りも成長した皆さんが卒業していくのを、楽しみにしています。そして将来、社会に貢献する人材となってくれることを願っています。

では具体的にどんな力を身に着けてほしいのか。様々ありますがとりわけ、自分の頭で考え行動できる力です。現代はいろいろな情報であふれています。まったくでたらめな情報、フェイクニュースのような本当そうに見せかけたウソの情報、逆に自分の将来の方向性を決めるきっかけになったり、人生の支えになる情報もあります。目についた情報や目立つ情報をうのみにしていると、それに振り回されてしまいます。これからは課題が見つかったとき、外部の情報を得ながら自分の頭で考え、何をどうすべきかを判断し、行動する癖をつけることが大切です。家庭や学校生活の様々な場面で、一緒に練習していきましょう。

最後になりましたが、保護者の皆さまにはご多用と存じますが、今後も懇談会・授業参観・各種説明会等をご利用いただき、学校でのお子様の様子を見ていただくとともに、子供たちが直面している諸課題について、一緒に考えていただければ幸いです。また、学校はできる限り情報を発信し、学校の様子をお伝えします。教職員は保護者の皆様と信頼関係を築き、お子様の教育に当たってまいります。今後とも本校の教育活動にご理解とご協力をお願いいたしまして、式辞といたします。

平成30年度三学期終業式 式辞

2019.03.22

皆さんおはようございます

 

振り返れば、あっという間に1年が過ぎ、三学期の終業式の日を迎えました。3年生は中学校・高校とも卒業式を終え、それぞれの進路に巣立っていきました。皆さんは次の学年に進級することになります。

 

今日は「4年後の自分へ伝えたい事」というタイトルでお話しします。先日、NHKで「拝啓 二十歳の自分へ」という番組が放送されました。今年1月、岩手県・三陸沿岸の山田町で、東日本大震災の直後に埋められたタイムカプセルが掘り起こされました。当時、大沢小学校を卒業したばかりの6年生29人全員が、「二十歳の自分へ」と題して手紙を書き、カプセルに入れ、今年二十歳となり成人式を迎えた彼らは今の自分に宛てた手紙と再会します。あれから8年、二十歳という人生の選択の時を迎えた彼らは、震災直後の自身からのメッセージをどう受け止め、どのように次の一歩を踏み出すのか? 二十歳の若者たちの旅立ちの時に密着する。という内容です。被災したことを原点に様々な職業を選択し、復興とつながる何かを目指し、自衛官、看護師、保育士、警察官、潜水士。ロボット工学を学び、将来の災害に活かしたい大学生などがいる一方で、故郷を離れたものの、今も震災の記憶にさいなまれる人、身近な人の死に向き合えずにいる人もいます。

 

私はこの29人の8年間のそれぞれの歩みが、重く険しいものに感じました。また、それぞれ一人一人の置かれた状況や、個性といいますか違いが、その後の8年間の歩みの方向やたどり着く場所の違につながっていることに、当たり前のことではありますが、改めて認識させられました。と同時に8年の歳月が短いようで長いということも。

 

さて、生徒の皆さん、皆さんもこの1年間を振り返れば、様々な活動に取り組み、それぞれの歩みがありました。そこで、この春休み考えてもらいことは、8年は長いのでその半分の4年後の自分に対して伝えたい事です。

➀どんなお兄さん、お姉さんになっていたいですか?

➁自分のどんな所を克服していたいですか?

➂4年後の自分にエールを送るとしたら、どんな言葉を送りたいですか?

 

皆さんのそれぞれの歩みが、どこにたどり着き、その後どこへ向かうのか、楽しみにしています。

第48回 卒業証書授与式 式辞(中学校)

2019.03.09

卒業生のみなさん、保護者の皆様、ご卒業おめでとうございます。今日は皆さんにとって大きな区切りの日となります。義務教育の期間を終え、今後は自らの意思で学業を継続し人格の完成を目指すことになります。また、今日の卒業式典にご多用の中、学校法人浪商学園理事長 野田賢治様をはじめ多くのご来賓の方々に、ご臨席をいただきありがとうございます。高いところからではございますが、心から感謝申し上げます。

 

保護者の皆様に申し上げます。3年前、皆様の大切なお子様をお預かりいたしまして、ご期待に添うよう教職員一同、一体となって教育してまいりました。この間、本校の教育活動に格別のご理解とご協力をいただき、本当にありがとうございました。これまでお子様を育ててこられた保護者の皆様には、感無量のものが、おありかと推察いたします。先ほど表彰いたしましたように、皆勤賞をはじめ,外部の団体からも表彰されるなど、多くの活躍があり心強い限りだと思っております。

 

さて、卒業生のみなさん、改めて卒業おめでとう。この3年間、教科の学習、クラブ活動、特別活動など学校生活を頑張って過ごしてきました。もちろん思い通りに進んだことも、うまく行かなかったこともあったでしょう。振り返ってみると、失敗の中から多くのことを学び、成長できたように思いませんか。これから始まる高校生活でも、壁にぶつかり、迷い、悩むことがあると思いますが、しなやかに受け止めて対応してください。より一層あなたを成長させてくれるはずです。

 

皆さんが社会に出て活躍する未来はどうなっているのでしょうか。日本では2015年から人口減少が始まっています。特に社会で働く年齢層が大きく減っていきます。それを補うため、女性や高齢者の活用、定年の延長、外国人労働者の受け入れも進めようとしています。一方で産業構造の変化も加速度的に進みます。人工知能やロボットの進化により、これまであった職業の半分がなくなると言われています。そんな社会で必要とされている力はいろいろありますが、特に皆さんに着けてもらいたいのは、主体的に行動する力と協働の精神です。主体的に行動する力とは、自分の理想、自分の目標、自分のポジションを見極め、自ら考え行動する力です。協働の精神とは、チームで何かをするとき、自分の考えを他の人たちに説明し、他の人たちの考えも取り入れて、チームとしての力を最大限に発揮できるよう調整する気持ちです。こちらのほうは部活動を通して、その大切さを知っているかもしれません。

 

最後に、私たちから見ると皆さんは可能性の塊です。次のステージへ進み、失敗を恐れず、思い通りにいかないときも粘り強く、チャレンジ精神をもって高校生活を送ってください。みなさんの健闘をお祈りし、式辞といたします。

平成30年度 高校卒業式 式辞

2019.02.02

只今、235名の皆さんに卒業証書を授与しました。卒業生、並びに保護者の皆様、誠におめでとうございます。

また、第71回卒業証書授与式を挙行するにあたり、ご多用の中、学校法人浪商学園野田理事長様をはじめ、多くのご来賓の方々のご臨席をいただきありがとうございます、高いところからではございますが、心より御礼申し上げます。

 

保護者の皆様には、今、晴れやかに巣立ちいくお子様の英姿を目の前にされ、夫々幼いころからの生い立ちを思い出されるなど、感慨もひとしおのことと存じます。

高校時代は心身ともに大きく成長する時期でありますが、あり余るエネルギー故に、時に親としてご苦労も多々おありになったことと存じます。歴史と伝統を誇る本校の卒業生と言う栄誉は、お子様の努力の結晶であると同時に、絶えずお子様を励まし温かく育んでこられました保護者の皆様方の薫陶のお蔭でもあります。このような頼もしい若人の姿として実を結びましたことに、心から敬意とお祝いを申しあげます。

 

改めて卒業生のみなさん、卒業おめでとう。皆さんはこの3年間で、智・徳・体それぞれの面で研鑚を重ね成長されました。本校の建学の精神は「不断の努力により、智・徳・体を修め、社会に奉仕する」です。卒業後、皆さん一人ひとりが、活躍できる場を見つけ、それぞれの分野で社会に奉仕する人材と成られることを願っております。

さて、皆さんは平成最後の卒業生となりました。また、平成30年は明治維新から150年目の年でした。昨日と今日を比べても、変化を感じることはできませんが、歴史を振り返ると、その変化に驚かされます。150年前、8割は農民でした、ほぼ自給自足に近い生活をしていました。気候の不順があると多くの人が餓死していました。平均寿命は50歳くらいで、50代といえば立派な爺さん、ばあさんでした。移動手段はほとんどが徒歩です。そんな生活が当たり前だった時代から、150年の年月を経て今のような生活が当たり前の時代になりました。

では未来に目を転じてみましょう。様々に未来予測がされていますが、その変化のスピードは激しく、今後50年でこれまでの150年と同じくらいの変化が起こると言われています。超少子高齢社会、グローバル化、高度情報化、人工知能の進化などが急速に進み、私たちが150年前の昔を見て感じるのと同じように、今とは大きく違った世の中になっているかもしれません。また、日本の人口は減少しますが、世界の人口はまだ増え続けています。食糧危機やエネルギー危機が大きな課題になっているかもしれません。変化の速さに戸惑いながらも、精一杯生きて自分の居場所を見つけてください。多くの困難があるでしょうが、しっかりと心構えをして臨めばチャンスに出会い、希望が持てるはずです。

皆さんのこれからの人生に幸多かれと祈念し、式辞といたします。さようなら。

3学期始業式 式辞

2019.01.08

あけましておめでとうございます。今日から3学期が始まります。中学3年生はコース決定試験に向けて、高校3年生はセンター試験、私立の一般入試、国公立の二次試験と最後までしっかり頑張ってください。また1、2年生は、学年の仕上げの学期です。それぞれの課題に取り組み、前進していきましょう。

本日は「幸せについて 続き」というテーマでお話しします。二学期の終業式で、「自分にとっての幸福は、どの様な項目を満たせばいいのか考えてみてください。その項目が満たされれば、本当に自分は幸福と思えるのか考えを深めてください。」とお伝えしました。どのような答えにたどり着いたでしょうか。じっくり考えてほしいテーマなので、考えを深めるきっかけにしてほしいと思います。

今から二千年ほど前、古代ローマの哲学者セネカは次のように言っています。「仕合せに生活したいのは誰もみな望むところである 。しかし人生を仕合せにするのが、果たして何であるかを見定めんとすることには、誰もみな五里霧中の状態である。」このようにずっと昔から、多くの人が考えきましたが、なかなか答えが見つからないようです。

今ない物を手に入れた時、幸せを感じます。例えば、病気やけがをしたとき、健康のありがたさが身に沁みます。貧しい生活→豊かな暮らし、低い評価→有名・名誉、才能が乏しい→才能があればなど、それを手にした瞬間は幸福を感じますが、そのうちそれが当たり前になり、もっとそれを欲しくなります。お金持ちになれば多くの幸せがかなうと思った人も多いかもしれませんが、こんな資料があります。日本は第二次大戦後、高度経済成長を遂げ一人当たりのGDPは右肩上がりに増加、つまりお金持ちになっていきましたが、生活満足度はほぼ横ばい状態です。

ここで目的と手段について整理しておきます。目的は「幸福になること」、その手段として「何をすればいいのか」、手段を選ぶには「どのような状態が幸せなのか」をしっかり考える必要があります。過去の偉人たちの声を参考に聞いてみましょう。

最初は近代物理学の父 ニュートンです「私はただ、真理という大海の砂浜で小石を拾っている子供のようなものだ」

次にビートルズのリーダー ジョン・レノンです。「ビートルズは、欲しいだけの金を儲け、好きなだけの名誉を得て、何もないことを知った」

三番目に、ドイツを代表する文豪のゲーテです。「結局、私の生活は苦痛と重荷に過ぎなかったし、75年の全生涯において、真に幸福であったのは4週間とはなかった」

最後に、イタリアルネッサンスを代表するレオナルド・ダ・ビンチです。「いかに偉大な業績を後世に残したとしても、いざ死んでいくその人にとってそれが何になるであろうか」

多様な才能を持ち活躍した偉人達です。傍目からは超充実した人生を送った様に見えますが、本人たちは全く満足していません。皆さんはどう思いますか。時間を見つけて、じっくり考えてください。

それでは三学期もチャレンジングに学校生活を送りましょう。

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