令和6年度 卒業式 式辞
2025.02.01
令和6年度 卒業式 式辞
風の冷たさが肌にしみる厳しい寒さが続いています。この寒い二月 如月(きさらぎ)は、厳しい冬が終わり、春に向かって万物がいよいよ動き始める時期を意味しています。今、心に秘めた思いや力を蓄えつつ、来るべき春に向けて、大きく飛躍しようとしている卒業生の皆さんの姿そのものだと感じています。
本日、第77回大阪体育大学浪商高等学校の卒業式を挙行できますことは、卒業生はもとより、教職員、在校生、関係者一同にとりましても大変大きな喜びであります。
ただいま、221名の皆さんに卒業証書を授与いたしました。卒業生ならびに保護者の皆様、誠におめでとうございます。保護者の皆様には、今、晴れやかに巣立つお子様の英姿を目の前にされ、幼いころからの生い立ちを思い出されるなど、感慨もひとしおのことと存じます。高校時代は心身ともに大きく成長する時期ではありますが、あり余るエネルギー故に、時に親としてのご苦労も多々おありになったことと存じます。本校の卒業はお子様の努力の結晶であると同時に、絶えずお子様を励まし温かく育んでこられました保護者の皆様方の薫陶のお蔭でもあります。このような頼もしい若人の姿として実を結びましたことに、心からの敬意とお祝いを申しあげます。
今、振り返ると、中学時代にコロナ禍を経験した皆さんは様々な制限、制約を経験してきただけに不安を抱きながらの高校入学だったと思います。しかし、月日の経過とともに、その不安も少しずつ減少し、活動の幅も広がり、学校全体が活気に満ち溢れるようになってきました。そのような中、今年開催された文化祭、体育祭における皆さんの活躍は深く印象に残っています。最高学年としての自覚を持ち、規律を整えながらリーダーシップを発揮し、学校全体を大いに盛りあげてくれました。皆さんのパフォーマンス、笑顔を見たときは入学前後の事も思い出され、安堵の思いでいっぱいになりました。皆さんは様々な不安を乗り越えながら、それぞれの目標に向かって精一杯努力を続け、大きな成長を遂げ、今日の日を迎えてくれました。
経済の停滞が問題視されている中、原油、食料品、生活用品等の物価が上昇する、大変厳しい社会情勢を迎えています。激変する予測不能な未来社会はAI の急速な進化、技術革新に対応できる力、多くの情報を集約し精査できる力、そして、それらを活用できる知識、技能の習得が必要な時代です。しかし、それらを実際に運用するのは人の力であり、私たちです。人と人との繋がり、協力、支えがあり、私たちは社会生活を営むことができています。皆さんには時代は変われど変わらないもの、忘れてはいけないもの、目に見えないものをこれからも大切に育み続けてくれることを切に願っています。
「智・徳・体を修め、社会に奉仕する人材の育成」 という建学の精神のもと、日常の勉学や部活動に全力で取り組み、本日、晴れて卒業の日を迎えることができました。これは皆さん一人ひとりの努力の結果であります。しかし、同時に先生方、先輩、後輩、友人、保護者の皆様のお陰でもあります。卒業という大きな節目の本日、心から感謝の思いを告げてください。そして、明日からは新たなる道で、一層の精進を積み重ねてくれることを期待しています。
最後になりましたが、皆さんがこの浪商高校で流した涙や汗、元気いっぱいの声、勇気を与えてくれた笑顔、君たちが残してくれたものすべてが浪商高校の財産であり、私たちの宝物です。どうかいつまでも強くそしてやさしい心を持ち、元気に活躍してくれることを切に願い、卒業式の式辞とさせていただきます。
令和7年2月1日 大阪体育大学浪商高等学校 校長 工藤哲士