スクールライフ⑬ 令和3年度 卒業式(2月5日) 式辞
2022.02.05
令和三年度 卒業式 式辞
まだまだ厳しい寒さが続いています。二月は如月(きさらぎ にょげつ)とも言い、寒い冬が終わり、春に向かって万物がいよいよ動き始める時期を意味しています。今、力を蓄えつつ、これからまさに大きく飛躍しようとしている皆さんの姿そのものだと感じています。
本日、第74回大阪体育大学浪商高等学校の卒業式を挙行できますことは卒業生はもとより、教職員、在校生、関係者一同にとりましても大きな喜びであります。
本来であれば多数の皆様をお招きし、盛大に祝福したいところではありますが、感染防止の観点から、本日は人数制限、時間を短縮しての開催とさせて頂きます。残念ながらご出席できない保護者の皆様には映像にて式典の様子を配信させて頂きます。何卒、ご理解頂けますようお願い申し上げます。
ただいま、196名の皆さんに卒業証書を授与いたしました。卒業生ならびに保護者の皆様、誠におめでとうございます。保護者の皆様には、今、晴れやかに巣立ちいくお子様の英姿を目の前にされ、幼いころからの生い立ちを思い出されるなど、感慨もひとしおのことと存じます。高校時代は心身ともに大きく成長する時期でありますが、あり余るエネルギー故に、時に親としてご苦労も多々おありになったことと存じます。本校の卒業はお子様の努力の結晶であると同時に、絶えずお子様を励まし温かく育んでこられました保護者の皆様方の薫陶のお蔭でもあります。このような頼もしい若人の姿として実を結びましたことに、心から敬意とお祝いを申しあげます。
卒業生の皆さんは「智・徳・体を修め、社会に奉仕する人材の育成」という建学の精神のもと、日常の勉学や部活動に全力で取り組み、日々自らを鍛え、そして成長し、本日、晴れて卒業の日を迎えました。これは、もちろん、一人ひとりの努力の結果であります。
しかし、同時に先生方、先輩、後輩、友人、今まで出会ったきた全ての方々のお陰でもあります。特に保護者の皆様におかれましては昼夜問わず、時には厳しくまた温かく愛情を持って皆さんのことを励まし支え続けて来られたことでしょう。卒業という大きな節目の本日、心から感謝の思いを告げてほしいと思います。そして、明日からは新たなる道で、一層の精進を積み重ねてくれることを期待します。
今、皆さんが飛び立とうとしている未来社会はAI の急速な進化、技術革新に伴い、人の働き方や生き方を含めた社会全体の構造までが激しく加速度的に変化しています。
また今回のコロナ禍が社会全体に与える影響も計り知れません。経済が停滞している上に、原油、食料品、生活用品等の物価のみが上昇する、いわゆる「スタグフレーション」と呼ばれる、悪いインフレ状態に近づいていると言われています。
このコロナウィルスにより長期間の休校が続き、学習活動、学校行事、クラブ活動と皆さんの高校生活全体に与える影響はあまりにも大きかったと思います。
私たちは、毎日、学校で授業を受け、部活動に汗を流し、クラスメートと共に過ごすことを特別なことと思っていませんでした。今回のコロナ禍の中で、日常の学校生活を送れることのありがたさを痛感しました。皆さんは日々感染予防に努め、いろいろな制約の中でも、それぞれの目標に向かって精一杯頑張ってきました。皆さんは、大きな困難を乗り越え、今日の日を迎えました。
しかし、今後も厳しい時代を生きる皆さんであるからこそ、最後に伝えたいことがあります。
目標や物事を達成するためには、まずは心からそう願い、そう思い続けることです。思わなければ叶う事、達成する事もありません。人の心の持ち方が人の人生を現実へと形作っていく。すべての始まりは、強い思いです。そうありたいと願望する事が何よりも大切です。その思いが種であり、人生という大きな庭に根を張り、幹を育み、そしていつしか花を咲かせます。
心が呼べば、自分に近づき、心呼ばずして、自分に近づいてくるはずはありません。この生き方の本質を大切にして下さい。
皆さんがこの浪商高校で流してくれた涙や汗、元気いっぱいの声、勇気を与えてくれた笑顔、君たちが残してくれたものすべてが浪商高校の財産であり、私たちの宝物です。どうかいつまでも強くそしてやさしい心を持ち、元気に活躍してくれることを祈っています。
令和4年2月5日 大阪体育大学浪商高等学校 校長 工藤哲士